パンズ・ラビリンス

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:イパナ・パケロ/セルジ・ロペス
場所:Q-AXシネマ
http://www.panslabyrinth.jp/

パンズ・ラビリンス オリジナル・サウンドトラック

パンズ・ラビリンス オリジナル・サウンドトラック






面白かった。
「ダークファンタジー」という売り文句通り、現実世界もファンタジー世界も闇。特に現実世界は観ているのが辛くなるような時代背景で、拷問シーンは施行直前で切り替わるもののかなり痛々しく、主人公は孤独。けれどそういう所にこそファンタジーの必要性があるわけで、そういう意味ではナルニア国ものがたりと似ている。物語の国は、辛い現実から逃げるための場所として創られる。
終わり方もペベンシー兄弟の最後を彷彿とさせた。最初にナルニアを読んだのは確か小学校の3〜4年くらいだったけれど、当時の私にとって『現実世界で死ぬ事によって物語の国へ行く』という構図はとても衝撃的だった。けれどその後はずっと「私は死んだらナルニアへ行こう」と思うようになる。別に現実世界に辛い事があったわけではないし、むしろ楽しいばかりの日常だったけれど、生まれ変わりとか前世とか来世とかくだらないと思っていたので、自分のまま他の世界で暮らすという考え方がとてもしっくりきたんだと思う。
…話がずれた。
一つ気になったのが「パンズ・ラビリンス」というタイトルで、つまり「妖精パンの迷宮」なのだけれど、パンはタイトルになるほどの活躍をしていない気がする。確かに彼は最初の頃から登場していたけれど、いまいち地味なのでずっとちょい役だと思っていて、その迷宮から入った魔法の国の方でもいろいろストーリーが展開すると思ってしまった。想像上の生き物が面白かったのでもっと沢山見たかったな。造形的には2つ目の試練で登場する目が掌に付いてる怪物が、インパクトがあって格好良い。