苦役列車
監督:山下敦弘
原作:西村賢太
出演:森山未來/高良健吾/前田敦子/マキタスポーツ/田口トモロヲ 他
制作:2012年日本
「http://www.kueki.jp/index.html」
- 作者: 西村賢太
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/01/26
- メディア: 単行本
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森山未來がとても素晴らしかった。あの王子の輝きが微塵も感じられず、驚くくらい汚く変貌。外身の話ではなくて、内側から出てくる汚れ感が板についていて、もはや別人だった。
がさつな動作、幼児性が残ったような喋り方、自分を卑下しつつ他人を馬鹿にし、感情のまま生きて、人生を諦めているのかと思いきや希望も捨ててない。そんな主人公が森山未來によってクリアに印象づけられた。本当に良い役者さんだな、追わずにはいられないよ。
そして私が好きな、初期の山下作品の雰囲気が全面に出ているのも好ましかった。
「リンダリンダリンダ」や「天然コケッコー」みたいな爽やか映画も悪くないけど、私はやっぱり「どんてん生活」「ばかのハコ船」「リアリズムの宿」あたりの、じめっとした閉塞感のなかに軽やかなユーモアが混ざっているような作品が好きだ。
今回のようなどうしようもない男を撮らせたら、山下監督の右に出る者はいないと思うよ。久しぶりの唐突な落下にはときめきを隠せない。
前田敦子も驚くほどよく馴染んでいた。時代に、画面の暗さに、山下監督の世界感に上手く同化した、ぴったりのヒロイン。途中で歌われたマキタスポーツ作詞作曲の歌がかなり良かったよ、流石マキタさんね。
プール
監督:大森美香
原作:桜沢エリカ
出演:小林聡美/加瀬亮/伽奈/もたいまさこ 他
制作:2009年日本
「プール」
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: DVD
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チェンマイに行きたくなる。
めがねが大好きなのだけれど、監督が違ってもキャストとスタッフを引き継いでいればこんなに近い作品になるんだなという感想。
これを見たら誰もが「あんな場所でつつましく暮らすのもいいかもしれない」と思うだろう。
でも実際にそれができる人にはこの映画は必要ないわけで、今の便利な生活もそれなりに愛している私のような人が憧れの目線で見る世界。だからこんなにも素敵なんだよね。
だってタイの田舎のゲストハウス行ったって、絶対に加瀬亮相当の人なんて居ないもの(笑)
ラースと、その彼女
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:ライアン・ゴズリング/エミリー・モーティマー/ポール・シュナイダー 他
制作:2007年アメリカ
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2009/08/05
- メディア: DVD
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閉じる日
監督:行定勲
出演:冨樫真/沢木哲/綾花/永瀬正敏 他
制作:2000年日本
- 出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ
- 発売日: 2002/04/17
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たまたま目について借りてみた1本。
同じ行定監督の「贅沢な骨」より前の作品という事に驚き。初期作品らしく雰囲気先行型だけれど、嫌いじゃないよこういうの。十代の、一瞬だけキラリと光る瞬間のようなものを焼き映そうとしている作品だと思う。
所々でデイヴィッド・リンチのブルーベルベットを思い出した。
主演の男の子は、子供と大人の狭間でゆらぐナイーブな感じが出てて良かった。女の子も見た目はいいのに、しゃべると大根ぎみ…笑
あと永瀬正敏はいつ観てもセクシーで素敵。
乱暴と待機
監督:冨永昌敬
原作:本谷 有希子
出演:浅野忠信/美波/小池栄子/山田孝之 他
制作:2010年日本
「KADOKAWAオフィシャルサイト」
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2011/05/11
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映画ではなく、舞台で観た方が面白かったような気がする。
特に前半は、1シーン1シーンに舞台感が残りすぎているような。
違う監督で映画にした「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」ではそんな風に思わなかったので、監督の趣向の違いだろうけど。もっと映画として組み直しても良かったんじゃ。
役者は全員上手いし脚本も面白いので、後半はそれも気にならなくなった。
星を追う子ども
監督:新海誠
声優:金元寿子/入野自由/井上和彦
制作:2010年日本
「http://www.hoshi-o-kodomo.jp/top.php」
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/11/25
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今までの作品とは全然違ったけれど、やっぱり私は新海誠監督が好きだ。
一番好きな秒速5センチメートルはかなりリアルな、手を伸ばせば触れられるような作品世界だったので、今回のファンタジー寄りの物語に少し驚いたし、何なら「この場面、ジブリで観た!」と思うほど似てるような構図のシーンもあって、どうしてこんなにジブリに寄せてきたのかと不思議に思うこともあったけれど。
伝えたいことがしっかりとしていてブレがない分、最近のジブリより中身がある仕上がりに感じた。色も独特の、夢見るような新海カラーが美しくて印象に残る。せっかくなんだから、キャラクターデザインや構成なども唯一無二にしたらいいのにね。主人公の男女が手をつなぎながら上空から落ちるとか、完全にジブリだもの…主人公の女の子も全然可愛くないし(笑)
ただ登場人物の外見はともかく中身はどれも魅力的で、ラストでは涙。異世界やそこの生き物たちにわくわくする、王道の冒険ファンタジーだった。