ゲキ×シネ 朧の森に棲む鬼

原作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:市川染五郎/阿部サダヲ/古田新太
場所:新宿バルト9
http://www.oboro-no-mori.jp/






平日の昼間だから当たり前なのかもしれないけれど、ちょっと心配になるほど空いていた。だってまだ公開から4日しか経ってないのに!好きな世代に学生が少ないのがまるわかりだなぁ…もったいない。
実際に見たのが今年の始め。その時点で「もう今年一番の舞台を観てしまった」と思ったけれど、やはりこれを越えるものは今の所ない。そんな朧だったから、その圧巻のラストや殺陣のかっこよさが強く印象に残り過ぎて、生の舞台程の感動を得るには至らなかった。
けど、それでも楽しかったし感動した。ゲキ×シネはゲキ×シネでしか観られないアップの表情とかをちゃんと押さえてくれていて、いまいちわかってなかった箇所なんかも今回ですっかり丸分かり。実際生で観た時は、冒頭で朧3人が歌った予言の歌詞が聞き取りづらくて、ストーリーを観ながら何となくわかっていくというもったいない見方をしていたので。あと席が1階の若干右手後方だった為に、細かい顔の表情はほとんど見えてなかったから、キンタを騙した時のライはこんな表情をしていたのか、とか。ライの事をマダレはこんな風に見ていたのか、とかいろいろ見られるのが嬉しかった。
一幕はかっこいい殺陣のシーンもありつつ、合間にはほのぼのとした笑いどころが豊富で、まばらな客席も気にせず笑わせてもらいました。あ、でも近くの女性もよく笑っていたのでその人のお陰というのもあるな。その前半があるだけに、何度見てもキンタを騙す場面が泣けてしょうがない。騙されるキンタも騙すライも悲しくて。
そして何度見てもこの阿部サダヲの格好良さは半端じゃない。いつもの愛らしさに加えて、このスピード感のある飛び跳ねるような剣使いは何なんだ。山猿がごとき跳躍。ライのシャープな殺陣はもう格別にかっこいいけど、サダヲが剣を振るうとその場が華やぐ。華が2人いるんだから、そりゃもう楽しくて魅入ってしまうよね。
そんなわけで生ではついついその2人を観てしまったけれど、シュテン真木よう子さんのあまりの可愛さに瞬きを忘れて凝視。完璧な可愛さを持つ人間はしょこたんだと思ってるんだけど、シュテンは顔だけだとしょこたんに見えた。しゃべると相当格好良いけど。とにかく良くできた舞台だという事を再確認した3時間半でした。


どうも途中からゲキ×シネとしてより、普通に朧の感想をもう一度書いてるみたいになってしまった。まぁいいか。